2011年12月18日日曜日

必ず約束を守る神(イザヤ書42:1-12)

降臨第4主日 夕の礼拝

好きなアメリカンドラマの一つ:CSIマイアミ。警察の科学捜査の話。好きな理由の一つ:捜査本部長である主人公はまさに「正義の味方」。とても頼もしい人。いったん何か約束したら、必ずそれおを守るということが分かるから。

助けを求めに来る人に「必ずこの問題を解決するぞ」や悪いやつに「お前を捕まえるぞ」と言うと、間違いなくそれを成し遂げるのです。

それを知っているから、彼がそういう発言をするとき、言葉に非常に重みがある。また、ホッとする。彼がそう言うならきっと大丈夫。

こちら見ている人もそう思うけど、ドラマの中の人たちは何となくそれを直感しているような演技をする。

彼は必ず言ったことを守るような男だから、きっと大丈夫。言っただけで、希望が沸いて来る。今の困難から抜け出せるときが近い。あるいは悪いやつに天罰が下る日が近い!

そのとき、見た感じでは、何も変わっていない。けど、見る目が変わっている。約束があるから。
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でもそれはテレビで、現実の世界では、そういう頼もしい人は少ない。約束したら、必ずそれを守る、成し遂げる人は果たしているのでしょうか。

政治家はどうでしょう?政治家は基本的に自分の立場を守るのに必死になっている。そのために何でも約束する。しかも、自分の力で(あるいは国全体の力でも)どうしようもできないことに対してまで約束したりする。

頼もしくない、全然。

企業はどうでしょう?企業はCMとかでは、ものすごいことを約束する。この車を買ったら幸せになる。この商品を手に入れると人生は充実になる。ハワイで旅行したらロマンスを体験できる。

もちろん、嘘ばっかり。

結婚式でも偉い約束をしてもらっているけど、実際はどうでしょう。
「幸いなときも災いのときも、豊かなときも貧しいときも、健康なときも病気のときも、あなたを愛し、あなたを敬い、あなたに仕え、あなたとともに生涯を送ります」とだって。

最後までこれがずっとできる人はそんなにいない気がする...神の助けを得ながら、何とかなれるかもしれませんが、ずっと、むらなく、相手をそういうふうに大事にできる人は、いる?

アメリカの離婚率は5割になっている。日本は4割弱だそうです。離婚まで行かなくても、十分にこの大きな約束を守れる夫婦はそんなに多くはないと思います(自分を含めて!)
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ところが、神はいったん約束をなさったら、それを絶対守ってくださる、と聖書は一貫して教えてくれる。捜査本部長よりも遥かに頼もしい方です!

そして神はイザヤとかに一つ大きな約束をなさいました。それは、救い主を送るぞ、ということ。
「見よ、わたしの僕、わたしが支える者を。わたしが選び、喜び迎える者を。彼の上にわたしの霊は置かれ/彼は国々の裁きを導き出す。」(イザヤ書42:1)

この派遣される「僕」の仕事は何でしょう?光として立ち上がること。そして、「見ることのできない目を開き/捕らわれ人をその枷から/闇に住む人をその牢獄から救い出す。」(イザヤ書42:6-7)

そしてその対象は?全世界です。「地の果て」まで、「島々」「諸国」「地の上に住むすべての人々」に、神は心を止めてくださっているのです。
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そしてついに、約束のとおり、神は救い主を与えてくださいました。クリスマスはそういう話です。神はご自分のみ子を送ってくださいました。

イザヤに与えられた言葉は、再びイエスの洗礼の場面で語られた:
「『見よ、これはわたしの愛する子、わたし喜び迎える者』と言う声が、天から聞こえた」(マタイ3:17)

そしてイエスがその「神の国運動」を始めようされたとき、ご自分のふるさとのナザレに帰られてこういう宣言をなさいました:
「主の霊がわたしの上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、/主がわたしに油を注がれたからである。主がわたしを遣わされたのは、/捕らわれている人に解放を、/目の見えない人に視力の回復を告げ、/圧迫されている人を自由にし、主の恵みの年を告げるためである。」(ルカ4:18-19)

それはイエスのミッションでした。イザヤとかで示された神の約束を成就することがイエスのミッションでした。

そしてイエスも、一つの大きな約束しました。それは、聖霊を通してご自分に結ばれている人たちと共にいてくださる、ということ。

これは教会そのものです。イエスに結ばれている、イエスと共に生きる人たち。

そしてこのことによって、イザヤに授けられた約束はどんどん実現されて来たわけ。今日に至るまで、地の果てまで、島々、諸国、地の上に住むすべての人々に――この日本という島に住んでいるわたしたちにも、愛の光がもたらされています。

今でも、「見ることのできない目を開いて」、人生に迷っている人、道が見えなくなってきた人、行き詰っている人々を導いてくださっています。

「捕らわれ人をその枷から/闇に住む人をその牢獄から救い出して」、さまざまな束縛や罪から、心の痛みから大勢の人々を救い出してくださっています。
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イエスが教えたことやなさったことに照らされて、少しずつ神の性格が分かっていくと、少しホッとすることがある。神がそう仰るならきっと大丈夫。神は必ず仰ったことを守るような方だから。

なので神の約束を知っているだけで、希望が持てる。

見た感じでは、何も変わっていないかもしれませんが、見る目が変わる。神の約束があるから。今の困難から抜け出せるときが近い。その日が必ずやって来る。世の中のさまざまな闇の力も、こう見えても最終的に一掃される日が近い!

しかも、政治家のように不可能なことを約束するのではない。
「神にできないことは何一つない」(ルカ1:36)と今朝の福音書で読まれました。

また、偽物幸福とか幻想、むなしくて、本当の幸せにつながらないことを約束するのではなくて、本当の、深い、いつまでも続く喜びを約束なさっているのです。

その神の約束に信頼をかけて、続けて祈りを捧げたいと思います。

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