「律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている」(マタイ22:40)
「律法全体と預言者」とは、ユダヤ教の聖書(旧約聖書)そのものを意味する。つまり、その民の歴史を通して神が分かってもらいたかったことのすべては、「神を愛せよ」と「隣人を愛せよ」という二つの掟に尽きるのである。エジプトでの苦難と束縛から救い上げられた民には、神は自分たちがトコトン愛しあがめるのに値するお方である、人が天に心を上げようと思う以前にその慈しみが先に注がれているのだということが分かったのである。束縛から解き放たれて神の友情を知った人たちにとって、神を礼拝するとともに、同じような思いやりと憐れみをもって共に生きること以外に、ふさわしい応答はないのである。
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